no KZ no life

講談社青い鳥文庫 KZ事件ノートシリーズを中心とした感想など。

【感想】⑬ハート虫は知っている

 

※ねたばれあります。 

 

KZ事件ノートシリーズ13作目。

大人の夏休みの課題その5。

翼初登場回。人気あるみたいですね~。

翼は、鼻がものすごく利きます。

それでまず思ったのが、生理中とかバレバレなんだろうなあ、っていう。

今あいつそうだ、とか思われてそう・・・

 

「『俺、今、いっぱいいっぱいだから、ついモラしただけなんだからな。言うなよ。』」(P.103)

まだよく知らないアーヤに、けっこう心の内明かしてますよね。

アーヤがおしゃべりな子だったらどうするんだろう・・・

 

「『俺、才能なんてないよ。いろいろできるって思われてるみたいだけど、それって全部、努力の結果だから。』

(中略)

『だけど努力なんて、誰だってしてるだろ。当たり前のことじゃん。だから口に出したくないんだよ。』」(P.103)

努力は誰もがしているものではないし、努力できる才能、というのがあると思います。

その才能は、アーヤも持っているように思います。アーヤの場合、努力云々というより、真面目さ、かな。

 

「『アーヤは、俺が待ってるのが迷惑だったんだよね。』

 私はうつむいた。

 そうなんだけど・・・言いにくかった。」(P.204)

メンバーに会っているところを他の人に見られると注目を集めるから嫌(自尊心の問題もアリ)というアーヤなのですが。

理由について察しがつかない黒木君じゃないと思うんだけどなあ。

若武なら気づかないだろうし、百歩譲って上杉君も気づかないとしても。

「私を待つことがどうして迷惑だったのか、黒木君にはたぶんわかっていないと思う。

 でも、私がそれを嫌がっていることは、わかったんだ。

 言葉では説明しにくいってことも、察してくれた。

 だから、その原因を取り除こうとしたんだ。

 そういう形で、黒木君は、私に謝っている。」(P.213)

これはどうかと。

若武と同じく、黒木君は全然悪くないと思いますし、謝る必要もないと思います。

アーヤの解釈がおかしい。

きちんと理由を説明すべきです。

 

黒木君がアーヤに貸してくれた携帯電話に、黒木君のことを「貴和」と呼ぶ大人の女性から電話があります。

いくつぐらいなのかなあ。

看護師さんにも知り合いが多いみたいだけど、大人っぽいとはいっても中学生。

下手したら犯罪ですよ・・・

黒木君、携帯貸すときアドレス帳とかメール履歴とか、どうしてたんでしょうね。

アーヤは見ないと思ってそのままか、消すか。

携帯って、最上級のプライバシーだと思うんですよ。

預金通帳見られるより嫌。

本棚見られるのよりも嫌。かも。

 

「私がびっくりしていると、小塚君が言った。

『黒木先生は、実は、空手2段。』」(P.603)

黒木君の空手について書かれていたのはここだったか。

小塚君が、○○先生 って言うの珍しいですよね。

黒木君はよく言うし、上杉君も。若武もたまに言うけど、小塚君はイメージない。

 

「『幼稚園生みたいだね。』

 小塚君が言うと、若武が不貞腐れた口調で、幼稚園の歌を歌い始めた。」(P.607)

幼稚園の歌、って、なんですか・・・

 

「うちの学校は、1時限が1時間20分あるから、その間にばっちり整理。」(P.624)

中1で1時間20分授業って、きつくないですか・・・ 集中力続く?

高校生ならわかる。高校のときそれぐらいだったような気もする。

でも中学でそれは・・・ 予習も大変なんじゃないかなあ。

えらいな、浜田生。

 

「『急に同居した親子は、うまくいかないこともあると思ってたから。』

 その眼差から哀しみがあふれ出て、私の胸を打った。

(中略)

 ゆっくりと視線を伏せたその様子は、そうすることで自分の気持ちを隠そうとでもしているかのようだった。

(中略)

 皆が黒木君の哀しみに気付き、その場がシーンとした。」(P.639)

もしかして、黒木君が今の家族と同居したのは比較的最近のことなのかなあ。

もっと子供のころは、違う家庭で過ごしていたとか?

もしかしたら、村上氏の近くで過ごしていたのかもしれない。

フランス語の発音が高貴 ってことだから、フランス貴族と暮らしていたとか。

「緑の桜は知っている」といい、今回といい、黒木君は高齢者を気にかけるところがあるように思います。

それが、彼の今までの人生やバックグラウンドに関係があるのかなと考えたり。

それともそれは考えすぎで、「哀しみ」は、自分の考えが誤っていたことに対するものなのでしょうか。

 

「『黒木がね、この1週間、ずっと北森の家を見張っていたらしいんだ。』」(P.653)

学校は休んでたんですかね・・・ こういうこと気になっちゃうんですよね。

 

「翌日、私は、すごく急いで朝飯(あさはん)をすませ、自転車の前カゴに事件ノートを放りこむと、飛び乗って家を出た。」(P.663)

あさはん、ってルビふってあるんですよ・・・

朝ご飯 の間違いかな、とも思ったんですけど、ネットで調べてみたら、あさはん って、群馬県や長野県で使われている言葉らしいんです。

藤本ひとみ先生は長野県出身。アーヤのおばあちゃんは長野県在住。

あえての あさはん・・・?

 

「う~ん、上杉君の知識も抜群けど、翼の記憶力もすごい。」(P.818)

抜群けど

誤植、かな・・・

 

「秀雄は体を起こし、しかたなさそう顔つきで」(P.859)

しかたなさそう顔つき

誤植、かな・・・

 

上杉君の安楽死に対する医学知識がすごいうえに、それに対して「100点」とか言ってる黒木君。(P.814)

黒木君もわかってるってことですよね。

なんで・・・

 

【考察】

 

・季節についてわかる表記はなし。

上杉君の制服が長袖だなー ぐらい。(P.361)

「しかたなく私は、『バレンタインは知っている』の不良グループ撲滅大作戦と向き合ったページに、社会奉仕団事件と書いた。」(P.165)

「目の手術から帰ってきて、上杉君はやさしくなった。」(P.217)

「そういえば、上杉君から聞いたことがあったっけ。

 あれは確か、『裏庭は知っている』の中でのことだった。」(P.248)」

「そういえば、『緑の桜は知っている』の中で、小塚君から、私は潤滑油だって言われたことがあったっけ。」(P.833)

「緑の桜は知っている」は、中1から中2になる3~4月の出来事です。

今作がそれよりも後の出来事ということになると、中2になっちゃうんですけど、おもな登場人物のとこには中1って書いてあるんですよね。

まあ、彼らは永遠の中1生なんですよね…

 

・ヒュッと口笛:1回

「私がそう言うと、翼が、ヒュ~ゥと尻上がりの口笛を吹いた。」(P.557)

 

・ドアホン:9回

「そう言って若武は、支柱についていたドアフォンを押した。」(P.349)

「すると翼は、ちょっと考えてから、北森家の隣の家に歩み寄っていき、そこのドアフォンを押したんだ。」(P.448)

「やがてドアフォンの向こうから、無愛想な女の人の声がした。」(P.448)

「『ドアフォン押しても、返事がないんですが。』」(P.449)

「ドアフォンから女の人の声が流れ出る。」(P.449)

「女の人はドアフォンを切り、やがて玄関から姿を見せて、こっちまで歩いてきた。」(P.451)

「その向かいの壁に、各部屋を呼び出すドアフォンが埋めこまれ」(P.836)

「手が空いた小父さんは、ドアフォンのシートボタンを押し」(P.846)

「やがて決心したようにドアに向き直り、そのドアフォンを押した。」(P.848)

だんだんドアフォン数えるのめんどくさくなってきました。もうやめようかなあ。

私はドアフォンなんて単語使ったことがなくて、こんなに使うほど一般的な言葉なの?と思ったのがきっかけで数えはじめたのですが、こうも何回も出てくると一般的な言葉のように思えてきて。

インターフォン って言うんですけどね私。

 

・甘やか:1回

「そう言って翼は、甘やかなその唇にふっと笑みを含んだ。」(P.465)

翼にも使われています。

今回は黒木君への使用はなし。

 

・開成

本によって、「開成」って書いてあったり、「開生」って書いてあったりする。

「開生」が多いかなあ。

この中では「開成」って書いてありました。(P.317)