no KZ no life

講談社青い鳥文庫 KZ事件ノートシリーズを中心とした感想など。

【感想】⑤緑の桜は知っている

 

※ねたばれあります。

 KZ事件ノートシリーズ第5作目。

大人の夏休みの課題その4。

黒木君が活躍するお話。

犯行理由というか謎が、マリナシリーズの仕立てとなんとなく似ていて、私のお気に入りランキング上位に入る作品です。

みんなが悩みすぎていないのも良いところ。

読んでいて辛くなりません。

今回はアーヤ、夜の外出はなく、わりと健全。

 

「オッケ」が多かったかなあ。

あと「メモ紙(し)」。

めもがみ、じゃなくて、めもし。

 

はじまりは、黒木君(とアーヤ)のランニング。

黒木君はDAIGOみたいな手袋をしてランニングしています。

 

私、黒木君はショートスリーパーだと思っています。

朝走って、学校行って、夕方走って、塾行って、家でも勉強してるはずだし、サッカーはいつしてるのかわかんないけど。

ビオラは今もしてるのかわかんないけど。

あと、空手やってなかったっけ?もうやってなさそうですが、やってたってどこかで書かれてましたよね。

コネのメンテもあるはずですし。

「いつの日か伝説になる」でも、夜遅かったのに翌朝早くに上杉君を起こしに行ったりしてたし。

沢山眠らなくても大丈夫=起きてる時間が長くて活動時間が長くいられる ってことで、そこまでデザインされたのかな と考えてしまって、切ないです。

 

P.83のイラストでは、黒木君、右手に腕時計しています。

左利きではなさそう。

べつに右利きの人が右に時計してても良いんですが。

両手にしてる人もいますしね。

以前右手に時計している人(左利きではない)に理由を尋ねたことがあって、作業中に見るのに楽と言っていたことを思い出します。締め切りの迫った仕事をしているときにちょいちょい見れるから良いのだと。

たしかに左手にしていると、時刻を見るために左手を動かす必要があって、それを億劫に思う人もいるのでしょう。

両手にしている人は、もともとつけていた普通の時計?にプラスして、色々な計測のためにスマートウォッチをつけていると言っていました。

黒木君はどんな理由で右手につけているんだろう。

 

「若武も小塚君も知らない、上杉君だけがわずかに近づいている黒木君は、いったいどんな人なのか、興味があった。」(P.600)

私も興味があります。とても。

 

「だって、すごくきれいな目だったんだもの。

 レンズを通してみると、涼しげで、きつい感じなんだけど」(P.193)

上杉君、目の手術をした直後はレンズなしでフレームのみのものをかけていたんですよね。

なんかやだなあ・・・ って思っていたんだけど、度なしレンズにしたのかなー(よかった)。

この時期は、目の手術後なはずなんです。

 

「『あの日に、すぐ届けにいって、放課後にも様子を聞きにいったらしいけど、警察は、佐藤家を訪問して、いないことを確かめただけみたいだよ。床のルミノール反応のことも言ったようだけど』」(P.222)

床のルミノール反応のことを言うには、家に侵入したことを言わざるを得ないと思うのですが、どうなのでしょうか。

 

「『この際、若武でもいいって言ってた。何がなんでも真実をはっきりさせるって。』

 若武でもいいというその言葉にこめられた黒木君の強い意志に、私は、身ぶるいした。」(P.225)

若武、気の毒すぎる。

この際若武でもいい、って・・・

しかも、そう言う黒木君に身震いするアーヤ・・・

 

「『上杉君、そのお辞儀、慣れてるよね。』

 小塚君が言うと」(P.269)

小塚君が、上杉君って呼んでるんです!

出会ったばかりのころのようです!

 

「『知り合いに、先物取引をやっている人間がいて、毎日、金の相場を調べているんだ。俺も、少し教えてもらったことがある。』」(P.293)

中学生に先物取引をおしえてはいけません。

黒木君、雀荘にでも出入りしてるのか?碁会所か?

 

小塚君が、若武のアコニツム中毒の手当てをする場面。

注射器が出てきますが、どのように手当てしたかは書かれていません。

さすがに針刺したら法に触れてしまいますので、そこは配慮したんだろうなと。

ちょっと不自然なぐらいに手当ての描写がないんですよね。

 

「『代理ミュンヒハウゼン症候群だよ。』」(P.750)

以前ニュースで見ました。

黒木君の言っているように、子どもが犠牲になるケースでした。

こういう疾患(なのか)が犯行動機なところが、鑑定医シャルルっぽい。

冒頭でマリナシリーズって書いたけど、鑑定医シャルルシリーズですね。

 

「『僕、いつも思うんだ、黒木ってほんとは何歳なんだろうって。ぜったい、年、ゴマかしてるよ。』

 それは、私も同感だった。」(P.777)

私も同感です。

本当は30歳ぐらいなんじゃない?

 

【考察】

 

・時期は中1から中2になる3月下旬~4月中旬。

「3月は、下旬になっても、まだ寒い日がたくさんある。」(P.18)

「『今回は、老婆失踪事件。発生は、4月9日の朝刊配達後から夕刊配達前の間。』」(P.247)

進級してるはずなのに学校行事とかまったくスルーですよね。

春休みないの?

クラス替えないの?

 

・P.423の小塚君イラスト、いつもより精悍で好きです。

このときはまだガラケーです。

 

・コクン:3回

「私たちは顔を見合わせ、コクンと息をのんだ。」(P.181)

「私たちは、コクンと喉を鳴らした。」(P.288)

「私は、コクンと息をのんだ。」(P.660)

 

・ドアフォン:9回

「門についていたドアフォンを押していた黒木君が言った。」(P.121)

「まず黒木君がドアフォンを押す。」(P.129)

「門についていたドアフォンを押そうとした若武を止めて、上杉君が言った。」(P.592)

「若武は、何も言わずにドアフォンの前を譲ったけれど」(P.593)

「ドアフォンにむかって上杉君がそう言うと」(P.595)

「上杉君はうなずき、ドアフォンに向きなおって話しはじめる。」(P.595)

「いきなり、玄関のドアフォンが鳴りひびいたのだった。」(P.671)

「『門のドアフォンは鳴らなかったよな。』」(P.672)

「『ついにドアフォンを鳴らしたってわけか。』」(P.676)

 

・アーヤの部屋に電話の子機はあるか

「着かえて、手を洗ってから、またおりてきて小塚君に電話をしたんだ。」(P.416)

→なさそう。

 

・オッケ:3回

「『オッケ。行こ。』」(黒木君)(P.56)

「『オッケー。』」(黒木君)(P.377)

「『オッケ。』」(黒木君)(P.739)

全部黒木君でした。

 

・メモ紙(し):3回

「『メモ紙(し)。』」(P.253)

「そう言うなり上杉君は、メモ紙(し)に大きな四角を書いた。」(P.256)

「私は、小塚君にちょっと待ってもらって、メモ紙(し)を取ってきた。」(P.418)

同じ「メモ紙」でも、めもがみ、ってルビのところもあるんですよね。↓

「私のメモ帳には砂原が携帯番号を書いてくれたメモ紙(がみ)がはさんである。」(P.101)

なにも書いていない状態のものがめもし、書いてあるものがめもがみ、って分けなのでしょうか?

めもし、なんて変換されないのは私のPCだけ?